+R Story Vol.2 「ジェンダーバイアスのかかった言葉」

+R Story Vol.2「ジェンダーバイアスのかかった言葉」

+R Storyでは地域の人々がエシカルな取り組みについてどのような考えを持っているのかを発信するコラムを配信しています。

第一弾は渋谷教育学園渋谷中学高等学校の学生が彼ら彼女らの視点で、エシカルな取り組みについて取材をして感じたリアルな声を発信しています。Vol2ははたなかさんのコラムです!

ジェンダーバイアスのかかった言葉

渋谷教育学園渋谷高等学校のはたなかです。陸上部と合唱部に所属しています。ジェンダーの観点から言葉について考えたので読んでいただければ幸いです。

さまざまなことば

人々は日々の日常の中で、発する言葉を意識して生活しているのでしょうか?

言葉にはいろいろな種類があります。ポジティブな言葉、ネガティブな言葉、毎日のように使う言葉、めったに使わないような難しい言葉。分類しようとするといくらでも分けられるでしょう。

その中でも、人を傷つけたり不快な気持ちにさせたりするものがあることはみな知っていると思います。しかし、直接的な人を傷つける言葉ではなく、個人個人の考え方によって受け取り方が変わる言葉もあります。ある人にとっては特別感を感じる言葉であり、ある人にとっては価値観を押し付けられているように感じる言葉です。そんな言葉があることを意識して生活している人はかなり少ないのではないでしょうか。

ジェンダーバイアスのかかったことばの受け取り方

私は人によって受け取り方が変わってしまう言葉があることをほとんど意識せずに生活していました。

そんな中、SDGsの5つ目の目標であるジェンダー平等の日本での達成を目指し活動されている、NPO法人ジェンダーイコールさんのHPに掲載されているジェンダー平等啓発のためのショートムービーを見て、初めて”ジェンダーバイアス”がかかった言葉について考えるきっかけとなりました。

その動画で例としてあげられていたのがリケジョという言葉です。

リケジョと聞いて私が最初に浮かぶのは「かっこいい!」という気持ちです。その一方、動画では女子生徒が「女性が理系に進むのが珍しいと思われる意味がわからない」と述べています。リケダンという言葉はなく、女性が理系に進むことが珍しいとされていたからリケジョという言葉が生まれた、ということです。

女性だからという理由だけで、男性とは違う呼ばれ方をされることへ疑問を持つことはリケジョをプラスな言葉ととらえている私でも理解できます。では、このようなジェンダーバイアスのかかった言葉を使うべきではないのでしょうか?そして、ジェンダーバイアスのかかった言葉をプラスと捉えてしまうことはジェンダー平等を達成するための障害となってしまうのではないのでしょうか?

そう考えた私はNPO法人ジェンダーイコールさんのムービー制作メンバーのKさんへインタビューをお願いしました。

NPO法人ジェンダーイコールのKさんへインタビュー

はたなか:『「リケジョ」などジェンダーバイアスのかかった言葉を前向きに捉えてしまうことはよくないことでしょうか?』

Kさん:『「リケジョ」という言葉は、理系に進む女性が少ない、という背景によって生まれた言葉です。このような表現が存在するからこそ、今となっても理系に進む女性が男性に比べて大幅に少ないです。ただ、気をつけなければいけないのは、この言葉自体が最大の問題ではなく、このような概念が存在する事です。

女性が理系に進むのが珍しいという思考が残っている社会を変える必要があります。

ただ、「リケジョ」という言葉に対して肯定的な意見を持つ方も沢山いると思います。

その人達は、「リケジョ」と呼ばれる事に抵抗がなく、逆にそれを誇りに思っているかもしれません。言葉の捉え方は個人の自由なので、そのように考える事も一つの思考として受け入れるべきです。

気をつけるべき事は、その言葉を相手に使う時です。人によっては、上記の理由で「リケジョ」という言葉に抵抗があるかもしれません。

実際私の女性の知り合いで先生に「理系に進みたい」と明かしたところ、否定された事がありました。このような人たちは「リケジョ」という言葉を使われると不愉快に思う可能性があります。

大事な事は、「リケジョ」という言葉を使うべきかないかではなく、その言葉ができた背景と現代の繋がりを自覚し、ジェンダーバイアスに日々気をつけることです。』

という回答をいただきました。

まとめ

リケジョという言葉をどこで知ったのか心当たりはありませんが、私の頭にも理系の女性はレアという刷り込みがされているように思います。実際高校生になった今、女性が理系に進むことがレアだということはまったく思いません。リケジョという言葉を耳にすることもほとんどありません。これから先、今よりももっと男女の格差がなくなった未来では、ジェンダーバイアスのかかった言葉は自然と消えていくのではないでしょうか。

あとがき

はたなかさんのコラムはいかがだったでしょうか?+R Storyはシェアリングステーションのリユース容器を利用することで、別のコラムを読むことができますので、また是非ご利用ください!