+R Story Vol.13 「KAPOK KNOTの挑戦」
+R Storyでは地域の人々がエシカルな取り組みについてどのような考えを持っているのかを発信するコラムを配信しています。
第一弾は渋谷教育学園渋谷中学高等学校の学生が彼ら彼女らの視点で、エシカルな取り組みについて取材をして感じたリアルな声を発信しています。
KAPOK KNOTの挑戦
渋谷教育学園渋谷のウタ湯です。僕は最近オシャレなどを気にするようになり、服に興味を持ち始めた。
そこで最近話題のSDGsと結びつけて考えてみようと思い、SDGsに貢献するような服を作っているKAPOK JAPANという会社のブランド、KAPOK KNOTさんの店舗の兼次恵利さんに取材した。
昨今話題になっているSDGs。
その中でアパレル・ファッション業界は国連貿易開発会議から「世界第二位の環境汚染産業」と指摘されているのはご存知だろうか。
その背景には大量生産大量消費によって生み出されるゴミや環境に悪い物質などがある。
そんなアパレル業界で、とある木の実を使って環境問題に立ち向かっているブランド、それがKAPOK KNOTだ。
KAPOK KNOTの服を作るのに使っている木、それがカポックだ。カポックの木は東南アジアなどの暖かな気候の場所を中心に、世界中で生育している木で、この木は肥料があまりいらず、水も他の木に比べて少なくて済むため注目を集めている。そしてこの木の実の中に入っている、軽いワタを使って服を作っている。
それでは、そのカポックを使う事によるSDGsへの貢献はどれ程できるのか。カポックで服を作ることによるSDGsへの貢献はいくつかある。
まず服を作るうえで出てくる二酸化炭素、これが1着につき1年間で2Lのペットボトル約100本分削減できている。
またカポックの木は1年間に300個ほど実を作り、服1着に使われているカポックの実が約30個なので、年に10着ほどコートが作れる。
さらに、木を伐採しないため、地球の環境に負荷をかけずに作ることができる。また動物を殺さずアニマルフリーでもある。
そんなSDGsの目標達成に貢献できるこのKAPOK KNOTの服、いくらSDGsに貢献できる服とはいえ品質や価格が悪ければ意味がないだろう。
では一般の製品と比べて品質、値段はどうかというと、カポックのワタはコットンの8分の1の軽さなので従来の製品と比べて軽い。さらに、カポックは特殊な構造によって、湿気を吸い、熱を放出する「吸湿発熱」という機能があり、その機能はダウンに匹敵するため、木に実るダウンとも呼ばれている。
よって、様々な重要な機能に関しても、一般のものと比べて勝るとも劣らない品質になっている。また、素材を育てる農園や生産工場などと直接やりとりを行っているため、余計なコストが抑えられ一般製品との価格差も少ない。
そんなカポックを使った服にもまだ課題はある。まずカポックのワタは柔らかく短いので糸にしづらく、今は研究をしてカポックのワタを不織布で挟んでシート状にしている。
しかし単一素材ではないためリサイクルが難しいという。
そして、柔らかい素材なので強度的な面で少し不安が残るという。しかし、KAPOK KNOTは立ち上がってまだ3~4年なのでこれから改善されることもあるだろう。
まとめ
取材をする中で、兼次さんは「KAPOK KNOTではFarm to Fashionを掲げている」とおっしゃっていた。
また「ファッション業界は大量生産、大量消費で発展途上国にそのゴミが捨てられていたりする、だからKAPOK KNOTでは作り手から買い手まで全員が気持ちのいいものを作るのが目標」とも言い、本気でSDGsの目標達成に向かっているのだと感じた。
そして自分も何かできることをやろうと思った。
あとがき
ウタ湯さんのコラムはいかがだったでしょうか?+R Storyはシェアリングステーションのリユース容器を利用することで、別のコラムを読むことができますので、また是非ご利用ください!