+R Story Vol.12 「KAPOK KNOTの歩みとカポックの未来」

ほうかごプラスアール

+R Storyでは地域の人々がエシカルな取り組みについてどのような考えを持っているのかを発信するコラムを配信しています。

第一弾は渋谷教育学園渋谷中学高等学校の学生が彼ら彼女らの視点で、エシカルな取り組みについて取材をして感じたリアルな声を発信しています。Vol12は圭さんのコラムです!

渋谷教育学園渋谷高等学校の圭です。私は最近ファッションに興味を持ち始めました。そこで今話題のSDGsとファッションを結び付けて記事を書こうと思いました。

今注目されている、木の実から作られる環境にやさしい綿を使った服を作っているブランドがあります。それは、2019年に立ち上げられたKAPOK JAPAN株式会社です。

私は、KAPOK JAPAN株式会社の兼次恵利氏にお話を聞きました。

KAPOK KNOTの歩み

現在ファッション産業は石油産業に次いで、世界で二番目の汚染産業である。

繊維生産には綿花栽培などで大量の水を消費するうえ、世界の工業汚染水の20%は繊維の染色と処理によるものと言われている。

さらに、服に使われているプラスチックが海洋に流出し、マイクロプラスチック問題の原因の1つとなり、また材料はほとんど埋め立て地に送られるか、焼却され、新しい衣料品にリサイクルされるのは1%未満であり大量生産、大量消費の業界になっている。

そんな現実を老舗アパレル企業の四代目としてKAPOK JAPAN創業者の深井喜翔氏は目の当たりにしてきた。

しかし、深井氏に転機が訪れる。繊維の教科書を開いたときに、小さくカポックが紹介されていたのだという。その後カポックに魅了された深井氏はKAPOK JAPAN株式会社を創業した。

カポックの現在と未来

この記事を読んでいる方には「カポックって何?」と思っている方も多いだろう。

カポックは東南アジアに自生する植物で、その実のワタはコットンの1/8の軽さ、吸湿発熱という高い機能性を備えている。では、なぜこんなにすごい素材で東南アジアに沢山生えているのにあまり使われていないのだろうか。

その原因はカポックの加工の難しさにある。カポックの綿は一つ一つが短く、一本の糸にすることが難しい。

そこで、KAPOK JAPANは独自にカポックをシート状にする技術を開発し服を作っている。しかしこの技術にもまだ課題はあるという。

カポックをシートにするときに強度の兼ね合いから、リサイクルポリエステルと混合している。そのため、現在はカポックの比率が30%になっているという。

意外と少ないと感じる方もいるだろう。しかし、これは競合他社と比較するととても多い。それでも日夜、カポックの比率を増やすために改良を続けているそうだ。

将来もしかしたら100%カポックを使った素材ができるかもしれない。もしかしたら、綿や化学繊維よりもカポックが服の素材として普及しているかもしれない。

そんな地球に優しい将来が楽しみだ。